村上ひとしの市政レポート



高すぎる国保料が貧困に拍車をかける


 国民全体の4割が加入している国民健康保険。高すぎて払いたくても払えない世帯が全国で480万世帯にのぼり、うち35万世帯が保険証を取り上げられ、病院の窓口でいったん医療費全額を支払わなければならない資格証明書が発行されています。

 修学旅行に行くときには保険証を持参する事になっています。しかし、保険証を取り上げられ、資格証明書を発行されている世帯の子供は保険証を持参できません。親と子の切実な実態を議会で取り上げたのが小川勝美議員です。せめて子供のいる世帯には資格証明書の発行は止めるべきです。この訴えに、札幌市も前向きに検討する旨の答弁を引き出す事ができました。

 政府は戦後のいざなぎ景気を超える好景気であると盛んに言っていますが、国保に加入している自営業者や年金で生活している高齢者、不安定雇用の人たちの所得は毎年減少しているのが実態ではないでしょうか。いわゆる高すぎる国保料が格差と貧困にいっそう拍車をかけることにつながっていると思います。

 この高すぎる国保料は、国の国庫負担割合を49.8%から34.5%に削減したことが大きな要因です。国庫負担の増額、国保料の引き下げを求める世論と運動が急務です。私は勤医協札幌病院に勤めていたとき、保険料を支払えず、重症化し手遅れになる悲惨な事例を数多く経験してきました。これ以上、病人が患者になれない深刻な事態を放置できません。早期発見、早期治療は医療の基本、全ての人に保障されるべきであり、医療費全体の削減にもつながります。

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